名古屋圏のリスクは、需要が製造業の景気に連動する部分を持つことと、都市型に需要が偏っていることにある。稼働率69.2%・振れ幅11.9ptという数字は良好だが、それは現在の需要構造が維持される前提のものである。
季節変動
月別の客室稼働率(愛知県・2025)
62.21
682
683
72.84
69.35
646
68.87
708
709
73.410
74.111
69.212
振れ幅11.9pt(最高11月74.1%/最低1月62.2%)。振れ幅11.9ptは小さく、季節変動そのものは大きなリスクではない。むしろ通年で高稼働が続く前提が崩れたときの下振れを見ておく必要がある。
需要の集中
旅館の稼働率30.8%が全国を7.4pt下回ることは、この地域の宿泊需要が都市型に集中していることを示す。リゾート・温泉型の需要による分散が効きにくく、都市の集客力そのものが収益を左右する。
確認できていないこと
- 新規供給のパイプライン(着工中・計画中の客室数)
- 実際の取引利回りと、期待利回りとの乖離
- 物件ごとの運営形態(リース/MC/FC/自主運営)の分布
- 既存施設の遵法性(検査済証の有無、旅館業法上の許可の状態)
いずれも公表統計では埋まらない。個別物件の検証で確認すべき項目である。
出典
- 観光庁「宿泊旅行統計調査」令和7年(2025年)年間確定値(第2表・第8表・参考第1表)
- 観光庁「宿泊旅行統計調査」令和7年(2025年)年間確定値[広域市町村130区分別集計]
- 日本不動産研究所「第54回 不動産投資家調査」(2026年4月現在)