宮城県南部(仙台圏)の宿泊需要は延べ852万人泊、うち外国人96万人泊で比率11.3%。宮城県全体の9.6%と同様、調査対象8都市のなかで最も内需に依存した市場である。客室稼働率60.2%は全国平均61.6%を下回り、月別の振れ幅は20.8pt。期待利回り5.3%は8都市で最も高い。
主要指標
需要 — 外国人宿泊の国籍構成
外国人宿泊の国籍構成(金=宮城県/グレー=全国)
外国人比率11.3%は、札幌34.8%・名古屋26.0%と比べて際立って低い。裏を返せば、インバウンドの増減に左右されにくい需要構造ということでもある。国籍構成では台湾・中国・香港が上位に入るが、絶対量そのものが小さい。
需給 — 月別の客室稼働率
月別の客室稼働率(宮城県・2025)
最高は10月68.2%、最低は1月47.4%で振れ幅20.8pt。月別の振れ幅20.8ptは、観光需要の季節性が稼働を動かしていることを示す。ビジネス需要だけでは平準化しきれていない。
投資 — 期待利回りの都市間比較
| 都市 | 宿泊特化型ホテルの期待利回り |
|---|---|
| 東京 | 4.1% |
| 京都 | 4.5% |
| 大阪 | 4.5% |
| 福岡 | 4.7% |
| 名古屋 | 4.9% |
| 札幌 | 5.0% |
| 那覇 | 5.0% |
| 仙台 | 5.3% |
8都市で最も高い水準である。
市場評価
内需中心で外部環境に強い反面、稼働率・単価ともに上限が見えやすい市場。高い利回りは魅力だが、それは出口の厚みが薄いことの裏返しでもある。長期保有を前提に、安定したキャッシュフローを取りに行く投資には適合しうる。
調査の方針
本調査は公表統計のみを用いた机上調査です。客室稼働率は都道府県単位、延べ宿泊者数は広域市町村区分単位の集計であり、市域と完全には一致しません。個別物件の収益性は立地・業態・運営形態によって大きく異なるため、取得判断には物件ごとの検証が必要です。
出典
- 観光庁「宿泊旅行統計調査」令和7年(2025年)年間確定値(第2表・第8表・参考第1表)
- 観光庁「宿泊旅行統計調査」令和7年(2025年)年間確定値[広域市町村130区分別集計]
- 日本不動産研究所「第54回 不動産投資家調査」(2026年4月現在)