札幌圏の最大のリスクは季節変動と、東アジア近距離市場への依存である。稼働率の振れ幅21.7ptは、月次の収支が大きく上下することを意味する。
季節変動
月別の客室稼働率(北海道・2025)
62.11
682
55.23
46.34
55.15
64.76
69.87
69.58
67.49
63.210
54.211
59.512
振れ幅23.5pt(最高7月69.8%/最低4月46.3%)。4月の46.3%は、固定費を賄えるかどうかの水準として検証が要る。年間平均だけを見た収支計画は、この谷で崩れる。
需要の集中
国籍構成の上位を台湾・韓国・中国・香港が占めており、いずれも近距離の東アジア市場である。距離が近いぶん需要は戻りやすい反面、政治・為替・航空便の変化に敏感でもある。欧米豪の比率が低いことは、需要の分散という観点では弱みになる。
確認できていないこと
- 新規供給のパイプライン(着工中・計画中の客室数)
- 実際の取引利回りと、期待利回りとの乖離
- 物件ごとの運営形態(リース/MC/FC/自主運営)の分布
- 既存施設の遵法性(検査済証の有無、旅館業法上の許可の状態)
いずれも公表統計では埋まらない。個別物件の検証で確認すべき項目である。
出典
- 観光庁「宿泊旅行統計調査」令和7年(2025年)年間確定値(第2表・第8表・参考第1表)
- 観光庁「宿泊旅行統計調査」令和7年(2025年)年間確定値[広域市町村130区分別集計]
- 日本不動産研究所「第54回 不動産投資家調査」(2026年4月現在)