ホーム リサーチ

福岡市

福岡市ホテル投資環境調査

2026年8月版 / フル版 全41ページ

福岡は「人口増加率21大都市1位 × 客室稼働率全国3位 × 供給抑制」が重なる稀少な宿泊需給構造を持つ。インバウンドは韓国36.8%・台湾18.2%・香港10.4%の近距離3市場で65%を占め、中国は13.7%と全国19.7%を下回る。期待利回り4.7%は東京比 +60bps で、実取引は4%台前半まで圧縮が進行している。

主要指標

+3.2%人口増加率(2020→25)21大都市で全国1位
80.6%市内客室稼働率(2025)2年連続80%台
842万人泊外国人延べ宿泊(県・2025)2019年比 +86%
4.7%ホテル期待利回り日本不動産研究所 2025年10月

需要 — 外国人宿泊の国籍構成

外国人宿泊の国籍構成(金=福岡県/グレー=全国)

韓国36.8%
全国11.5%
台湾18.2%
全国12.9%
中国13.7%
全国19.7%
香港10.4%
全国4.3%
米国2.7%
全国11.2%
タイ2.5%
全国2.7%

出典:観光庁 宿泊旅行統計調査(国籍別は従業者数10人以上の施設)

詳細:福岡市のホテル需要構造 →

需給 — 月別の客室稼働率

月別の客室稼働率(福岡県・2025)

67.81
74.92
72.43
73.84
72.95
68.56
68.87
71.28
69.99
76.310
77.811
71.112

詳細:福岡市のホテル稼働率と供給 →

投資 — 期待利回りの都市間比較

主要8都市 ホテル期待利回り(2026年4月・低いほど価格は強気)

東京4.1%
大阪4.5%
京都4.5%
福岡4.7%
名古屋4.9%
札幌5.0%
那覇5.0%

詳細:福岡市のホテル期待利回りと投資環境 →

データが示す根拠

  1. 都市成長 2025年国勢調査速報で人口166.4万人・増加率+3.2%(21大都市1位)。市推計では2040年頃まで人口増が継続する見通し。
  2. 需要の質 外国人宿泊の国籍構成は韓国36.8%・台湾18.2%・香港10.4%に対し中国13.7%。近距離リピーター型の分散需要。
  3. 高稼働 市内ホテル・旅館稼働率は2024年80.4%から2025年80.6%。福岡県72.1%は全国3位(全国平均61.6%)。
  4. 供給規律 建築費高騰(2015年比+40〜50%)が新規開発を制約。新規供給は既存ストック比で約2%に留まる。
  5. 価格上昇 期待利回りは5.3%(2021)から4.7%(2026)へ圧縮。2025年の市内実取引の鑑定利回りは3.9〜4.9%。

市場評価

評価軸 主要データ 評価
都市成長性 人口増加率21大都市1位/転入超過4位/GDP8.2兆円/開業率7年連続1位 極めて強い
インバウンド需要 外国人宿泊842万人泊(2025・全国6位)/中国13.7%・韓国36.8%の近距離型構成 強い・質が高い
国内需要 日本人宿泊1,600万人泊台で安定/MICE・イベントの都市型需要 安定
ホテル需給 稼働率80.6%/新規供給は既存比約2%/建築費が参入障壁 需給タイト
ホテル投資市場 期待利回り4.7%(圧縮継続)/2024年全国ホテル投資1兆円超/投資家意欲首位 流動性高い
不動産市場全般 商業地地価+9.0%(14年連続上昇)/賃料上昇/空室率低位 堅調
金利環境 政策金利1.0%・長期金利2.785%でスプレッド縮小 要注視
供給リスク 2026年に892室増見込み/2027年以降は建築費高騰で供給細り 中期は限定的
評価記号は分析者の判断です。根拠となる数値は中央の列に併記しています。

評価が◎に集中するなかで唯一「△」が付くのは金利環境である。フル版の第11〜12章では、この逆風下でも価値成長が成立する条件(NOI成長主導・取得価格規律・再評価トリガー)を定量的に検証している。

結論

福岡のホテル投資の本質は「成長都市の実需に支えられた高稼働アセットを、東京比 +60bps の利回りで取得できる」点にある。金利上昇局面でのスプレッド縮小は全国共通の逆風であり、取得価格の規律を守れるかが投資成否を分ける。

調査の方針

  • 掲載する数値は、政府統計および第三者機関が公表した資料から直接取得しています。
  • 公表資料で確認できなかった項目は「未確認」と明記し、推計で補完していません。
  • 結論に不利な材料も併記しています(本サマリー版では金利環境・供給・為替)。
  • 評価記号(◎○△・■▲●)は分析者の判断であり、根拠となる数値を必ず併記しています。

出典

  • 総務省「国勢調査」2025年速報(2026年5月公表)
  • 観光庁「宿泊旅行統計調査」(2026年3月公表)
  • 観光庁「インバウンド消費動向調査 2025年暦年(速報)」
  • 日本不動産研究所「第54回 不動産投資家調査」(2025年10月現在/2025年11月公表)
  • 国土交通省「地価公示」「都道府県地価調査」
  • 法務省「出入国管理統計」
  • JLL「2025年 日本のホテル投資市場」
  • CBRE「不動産マーケットアウトルック2026」
  • 帝国データバンク「人手不足に対する企業の動向調査」

この調査の他のページ

REQUEST

詳細版をご請求ください。

ご所属とご関心のエリアを伺ったうえでお渡ししています。調査のみのご依頼も承ります。