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東京

東京のホテル期待利回りと投資環境

2026年8月版

期待利回りは4.1%で全都市の最低を更新し続けている。第54回でもなお0.1pt低下しており、圧縮の終わりは確認できていない。

期待利回りの推移

時点 期待利回り
第53回(2025年10月) 4.2%
第54回(2026年4月) 4.1%

実取引の鑑定利回りは未確認。J-REIT等の開示から個別に確認する必要がある。

投資環境

10年国債2.785%に対するスプレッドは約1.3ptで、大阪・京都(約1.7pt)・福岡(約1.9pt)・那覇(約2.2pt)を下回る主要都市の最薄。歴史的なホテルのリスクプレミアムの目安(2.0〜2.5pt)を明確に割り込んでいる。

利回りの読み方

低下が続く意味

金利が上昇するなかでの利回り低下は、投資家がNOI成長(単価上昇)でスプレッド縮小を吸収できると見ていることを意味する。この前提はADRの上昇が続く限りしか持たない。

スプレッド1.3ptの読み方

追加利上げが0.5pt進めばスプレッドは1pt を割る。金利感応度は主要都市で最も高く、東京の取得は事実上「金利が上がりきらない」ことへの賭けを含む。

それでも東京を買う理由

流動性と出口の厚さは他都市と別格で、ストレス時に最後まで買い手が残るのは東京である。薄いスプレッドは、この流動性プレミアムの対価と読むのが正確である。

他都市との比較

東京は需要・稼働・地価・人口の全てで首位級だが、期待利回り4.1%とスプレッド約1.3ptが示すとおり、その優位は価格に完全に織り込まれている。市場の質に対して割高か、流動性を考えれば妥当か——この判断が東京投資の全てである。

主要8都市 ホテル期待利回り(2026年4月・低いほど価格は強気)

東京4.1%
大阪4.5%
京都4.5%
福岡4.7%
名古屋4.9%
札幌5.0%
那覇5.0%
仙台5.3%
指標 東京 大阪 京都 福岡 札幌 仙台 名古屋 那覇
ホテル期待利回り(2026年4月) 4.1% 4.5% 4.5% 4.7% 5.0% 5.3% 4.9% 5.0%
前回調査(第53回)比 −0.1pt 0.0pt −0.1pt −0.1pt 0.0pt 0.0pt −0.1pt 0.0pt
商業地変動率(令和8年・市部) +13.8% +12.7% +10.1% +9.0% +4.6% +7.8% +4.5% +7.1%
外国人比率(広域市町村区分) 57.6% 43.9% 58.5% 37.7% 34.8% 11.3% 26.0% 24.4%
客室稼働率(都道府県) 76.3% 78.6% 66.8% 72.1% 61.2% 60.2% 69.2% 60.3%
期待利回りは日本不動産研究所「第54回不動産投資家調査」(2026年4月現在)のホテル(宿泊主体型)。商業地変動率は令和8年地価公示の市部(東京は23区)。外国人比率は宿泊旅行統計調査の広域市町村(130区分)別で、東京=23区内、京都=京都市、福岡=福岡地域、札幌=北海道石狩、仙台=宮城県南部、名古屋=愛知県尾張、那覇=沖縄県南部。客室稼働率のみ都道府県の値。

出典

  • 観光庁「宿泊旅行統計調査」令和7年(2025年)年間確定値(第2表・第8表・参考第1表・広域市町村130区分別集計)
  • 日本不動産研究所「第54回不動産投資家調査」(2026年4月現在)
  • 国土交通省「令和8年地価公示」
  • 日本銀行 金融政策決定会合(2026年6月16日)/日本相互証券(2026年8月7日)
  • 総務省「令和7年国勢調査 人口速報集計」

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