期待利回りは4年で50bps圧縮した。公表値と実取引の乖離が、現在の取得環境を最もよく表している。
期待利回りの推移
| 時点 | 期待利回り |
|---|---|
| 2021 | 5.3% |
| 2026 | 4.7% |
2025年の市内実取引の鑑定利回りは3.9〜4.9%。公表される期待利回りより先行して圧縮している。
投資環境
東京比 +60bps。全国のホテル投資額は2024年に1兆円を超え、投資家の取得意欲は資産クラス別で首位。
利回りの読み方
期待利回りと実取引の差
期待利回り4.7%は投資家アンケートに基づく水準。これに対し2025年の市内実取引の鑑定利回りは3.9〜4.9%で、実際の取得競争は公表値より先行して進んでいる。
スプレッドの縮小
期待利回り4.7%に対し10年国債は2.785%。差は約1.9ptで、金利上昇局面ではこの差が投資判断の分岐点になる。
取得規律の置き方
NOI利回り4.5〜5.5%は、スプレッドが縮小しても価値成長が成立する取得価格の範囲として置いている。算定の根拠はフル版第8章に記載。
他都市との比較
福岡は「人口増加率1位 × 稼働率3位 × 利回り4.7%」で、成長性と利回りのバランスが最良のポジションにある。札幌・京都は人口減少局面に入り、大阪は万博後の反動を消化中。名古屋・那覇は利回り5.0%だが需要の質が異なる。
主要8都市 ホテル期待利回り(2026年4月・低いほど価格は強気)
東京4.1%
大阪4.5%
京都4.5%
福岡4.7%
名古屋4.9%
札幌5.0%
那覇5.0%
| 指標 | 福岡 | 東京 | 大阪 | 京都 | 札幌 | 那覇 | 名古屋 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 人口増減率(2020→25) | +3.2%(1位) | +2.3%(23区) | +2.0% | ▲3.2万人 | 初の減少 | 未確認 | 増加(率未確認) |
| ホテル期待利回り(2026年4月) | 4.7% | 4.1% | 4.5% | 4.5% | 5.0% | 5.0% | 4.9% |
| 前回調査(第53回)比 | −0.1pt | −0.1pt | 0.0pt | −0.1pt | 0.0pt | 0.0pt | −0.1pt |
| 客室稼働率(2025・都道府県) | 72.1%(3位) | 76.3%(2位) | 78.6%(1位) | 66.8% | 61.2% | 60.3% | 69.2% |
| 外国人比率(都道府県・宿泊) | 33.0% | 55.7% | 41.7% | 55.2% | 28.6% | 27.2% | 21.4% |
| 中国比率(外国人宿泊・2025) | 13.7% | 18.0% | 27.9% | 20.1% | 17.8% | 11.8% | 未確認 |
| 商業地変動率(令和8年・市部) | +9.0% | +13.8% | +12.7% | +10.1% | +4.6% | +7.1% | +4.5% |
| 宿泊税(標準帯) | 200円 | 100-200円 | 200-500円 | 200-10,000円 | なし | なし | なし |
出典
- 総務省「国勢調査」2025年速報(2026年5月公表)
- 観光庁「宿泊旅行統計調査」(2026年3月公表)
- 観光庁「インバウンド消費動向調査 2025年暦年(速報)」
- 日本不動産研究所「第54回 不動産投資家調査」(2025年10月現在/2025年11月公表)
- 国土交通省「地価公示」「都道府県地価調査」
- 法務省「出入国管理統計」
- JLL「2025年 日本のホテル投資市場」
- CBRE「不動産マーケットアウトルック2026」
- 帝国データバンク「人手不足に対する企業の動向調査」