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2026年8月9日

売却目線調査には、何が書いてあるのか

私たちがオーナー様に最初にお出しするのが「売却目線調査」です。費用はいただいていません。何が書いてあるのか、逆に何が書いていないのかを、あらかじめ公開しておきます。

なぜ費用をいただかないのか

売却を決めていない段階のご相談が、最も多いからです。「いくらで売れるのか知りたい」「売る場合と持ち続ける場合を比べたい」という問いに答えるには、まず数字を出さなければ話が始まりません。

調査をお出ししたうえで「売らない」という結論になることも、当然にあります。それは失敗ではなく、正しい結論のひとつです。費用をいただかないのは、その結論を選びにくくしないためでもあります。

書いてあること

1. 想定売却価格のレンジ

単一の数字ではなく幅でお出しします。収益還元(DCF・直接還元)、取引事例比較、再調達原価の三つの面から積み上げ、それぞれの前提を明記します。ホテルの価格は前提の置き方で動くため、「この前提ならこの価格」という形にしないと意味を持ちません。

2. 価格を動かす論点

レンジの幅がどこから来ているのかを特定します。運営契約の扱い、先送りにしている修繕や設備更新、許認可の状況、テナントや区分所有の有無。ここが整理できると、「何を片付ければ価格が上がるのか」が見えます。

3. 想定される買主層

国内の事業会社、私募ファンド、J-REIT、海外投資家、個人の資産保有法人——このホテルがどの層に当たる案件なのかを整理します。層が違えば見る指標も、出せる価格も、意思決定にかかる期間も違います。

4. 取り得るスキーム

現物か、信託受益権か、SPC持分か、株式譲渡か。運営付きで渡すか、空室渡しにするか。この選択で買主層と手取りが変わるため、選択肢とそれぞれの帰結を並べます。

5. 想定スケジュール

打診の開始から契約・クロージングまで、標準的な工程と各段階の目安期間をお示しします。相続や借入の期限がある場合は、そこから逆算して現実的かどうかを判断していただくためです。

書いていないこと

売却目線調査は、意思決定のための参考情報です。次のものではありません。

  • 不動産鑑定評価ではありません — 金融機関への提出や係争など、鑑定評価書が必要な場面では不動産鑑定士に依頼が必要です
  • 税務・法務の助言ではありません — 税額や契約の法的評価は、税理士・弁護士にご確認いただく領域です
  • 売却の保証ではありません — レンジは「この水準で買う先が存在し得る」という見立てであって、その価格で成約することをお約束するものではありません

想定より低い価格しか出ない見込みであれば、そのように申し上げます。

お出しするまでに必要なもの

すべて揃っていなくても構いません。お手元にあるものだけで、まずは概算をお出しします。精度を上げるためにあると良いのは次のものです。

  • 登記事項証明書(土地・建物)
  • 直近3期分の損益計算書(部門別があれば尚可)
  • 月次の客室単価(ADR)・稼働率(OCC)・RevPARの推移
  • 客室構成表(タイプ別の客室数)
  • 建物図面と面積表
  • 検査済証、建築確認、旅館業許可などの許認可書類
  • 運営委託契約・FC契約・賃貸借契約
  • 大規模修繕の履歴と今後の更新計画

期間と、その後

資料の揃い具合によりますが、概ね1〜2週間でお出ししています。

調査をご覧になったうえで、売却を進めるかどうかをご判断ください。進める場合に媒介契約を締結します。調査を出したことを理由に媒介をお願いする、という進め方はしていません。

他社の査定と比較する材料としてお使いいただいても構いません。

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